医師の独り言

医師が見せてくれた写真には、医師の奥様がいつもの笑顔で写っていた。医師は写真を胸にしまい、「さて、そろそろお前を解放してやらないとな。悪かったな。」と言った。「いえ、すみません。自分も今まで何も知らないで、すみません。」と言うと、「そりゃ知らないのは俺が言ってないからだろ、いいんだよ。」と医師が言った。

自分の中で色々言葉が浮かんだけど、医師にそれを言う事は出来なかった。2年前と言えば医師が見せに顔を出さなくなったあの時期、あの時期から明らかに痩せた医師。色んなことを思い出したり考えたり、あの時失礼なことを言ったなぁとか反省したり。「早く涼しくならねぇかな。」と医師は独り言を言いながら歩いていく、普段独り言なんて言わないのに自分に気を使っていてくれたのだろう。

自分が奥様のことを言ったりしてたから、なかなか言い出せなかったのかもしれない。それで女将さんのところに行って、女将さん伝いに自分に気付かせてくれたのかもしれない。店の前に着くと「じゃあな、また連絡するわ。」と言って医師が帰ろうとしたので、「今度、良かったら・・自分も、奥様にまだちゃんと・・一言お礼が言いたいです。」と言った。

医師は頷きながら手を上げ、タクシーに乗り込み去っていった。

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